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東ッタゆらぎ

先日あったことを記します

『AVから学ぶ』第1話 出会い

 

 俺、川内直哉はスポーツ万能、頭脳明晰、またそのほかのいろいろなものに長けている。さらには神にひいきされたかの如く整った顔立ちであり、なおかつ高すぎずも低すぎない何とも言えない絶妙のバランスを持った体躯をしている。

 なぜここまで完璧すぎる人間になったのだろうか……

 理由はわからない。だが俺は選ばれたのだとこれまでの人生で身にしみて感じている。 
嬉しいことではない。悲しいことなんだ。

 すべてが完璧すぎる故にやりたいことがない。

 これは他人から見れば自慢のように受け取るかもしれないけれど、大きな問題であり、そこらの人間には理解しがたい問題なのである。

 直哉は将来に不安を感じている。

 そうやって何度も考えていると脳裏から誰かがしゃべりかけてくるように毎度こう問うてくるのだ。

 ――すべてうまくいく人間はどうなると思う?――

 きっと答えはこうだ。

 A:生きる価値をなくし、人でなくなってしまうだ。

 やりたいこと、したいことがない自分が怖い。

 怖い。

 自分の姿を見るたびに本当に人間なのかと、骸のようなもので抜け殻のようなものではないのかと疑う自分が怖い。

 あまつさえ、歳わずか16つである。この歳でもう直哉はこの世のすべてに飽きたのだ。

 このまま生きてても何の意味もない!

 なんで川内直哉という人間が存在するんだ!

 こんな苦しみも痛みもなく生活できるこの自分自身の完璧さが憎い。

 

 そうして直哉は自殺することを決意しました。

 

 アパートの扉を開け直哉はビルの屋上へと向かう。

 季節は冬だったため直哉は一張羅である大きなベンチコートを羽織って街を歩いている。

 吐息がとても暖かい。

 これから俺は冷たくなりに行くのだ。

 足取りが重い、これから為すことに怯えを感じているのか手が少し震えている。

 

 目的地のビルまであと少しだ。

 直哉はビルに向かう曲がり角を曲がるその時だった―――

  

 黄金に光る照明。

 その照明なかに異界だと思わせるような数多くの記憶媒体

 異彩を放つ未知への扉。

 

 もう直哉は自殺のことなど忘れ、眼前に映るその扉を開けた。

 扉の先には神の空中庭園と思しき空間。

 直哉の整った顔はぐしゃぐしゃと崩れ、涙を流し一番近くにあった記憶媒体を手にとる。

 きっとこれが俺の人生の答えなのだろう……。

 

 

  そう、直哉はアダルトビデオに出会ったのだ。

 

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おわりです。

稚拙ですが、、

次回もお楽しみに☆