こうもとゆらぎ

童貞よ。解放を求めて剣を掲げるのだ。

短編小説『ペニスにピアス』

 

 この小説は二人の男女がある日、公園のベンチで話していた時に切り出された話題である。

 

「なあ、スプリットペニスって知ってっか」

 

「なにそれ」

 

 男はおもむろにズボンを脱ぎだす。

 

「ほら。こんな風に陰茎の先の亀頭を蛇の舌のように、二つに分裂させるんだ」

 

 彼がパンツを下ろし、右手でペニスを操るところを見た瞬間、私の中の何かが変わった。

 

「すごいね、綺麗に真っ二つになってる。すごい、初めて見た」

 

 女は興味津々に黒く染まった彼のペニスの様子をマジマジと見つめる。

 

「いいだろ、俺はこいつを愛してんだ」

 

「いいないいな、私もやってみたい」

 

「おうよ! やってみ、かっけーから」

 

「うん、でもかっこいいとかじゃなくて、人と違う何かを持つってスッゴイ個性を感じるんだ。私はそーゆー個性探してた」

 

「いいじゃん、俺君のそーゆーとこ好きだな」

 

「あ、でも……」

 

 ハッと女は何かに気づいたように、その場で全裸になり、下半身を見つめる。

 

 そこにペニスは無かった。

 

 

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